交番で来客の応対などの仕事をする「交番相談員」の制服が10月から廃止され、私服での勤務が始まった。警察官と見分けやすくして身近に感じてもらうと同時に、相談員自身の安全を守る意味もある。
先月上旬、JR駅近くの「さいたま新都心交番」では、長袖ワイシャツと長ズボン姿の女性の相談員2人が通行人の応対をしていた。相談員歴13年の池田郁子さん(53)は初の私服勤務に「動きやすく、支給された制服を管理する緊張も軽減された。これまでより全然楽になりました」
交番相談員は1993年に警察官の事務仕事を補う目的で県警に導入され、現在は空き交番対策などで県内全250カ所の交番と7カ所の派遣所に計約400人が配置されている。警察OBらが県警の非常勤職員として採用され、警察のような捜査はせず、その仕事は交番での道案内や落とし物の処理などに限られる。
県警地域総務課によると、相談員はこれまで、警察官とほぼ同型の制服、ネクタイ、キャップ帽などが支給され、着用が義務づけられてきた。10月に服装の規定が変わり、派手でない長ズボン、淡色系のワイシャツなど、一定の条件下で「私服」が解禁され、帽子も付けなくてよくなった。
服装変更には、仕事での身軽さを重視したり、経費を軽減したりするほか、交番を訪れる人に対して相談員と警察官との見た目上の違いを明確にして、拳銃や警棒を持たない相談員がトラブルに巻き込まれるリスクを下げる狙いもある。
交番勤務を巡っては昨年6月、…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル